「そうだな。なんでもじぶんのものにして、もってかえろうとすると、むずかしいものなんだよ。
ぼくは、見るだけにしてるんだ。そして、たちさるときには、それを頭の中にしまっておくのさ。ぼくはそれで、かばんをもち歩くよりも、ずっとたのしいね。」
トーヴェヤンソン「ムーミン谷の彗星」より
スナフキンは物に執着することを嫌います。
物を持つことより、きれいなものを心に感じることの方が大切であることを知っているからです。
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by silent_music
| 2010-03-20 00:22
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音楽は天使の言葉だとは
言い得て妙である
トーマス・カーライル
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by silent_music
| 2010-03-18 23:01
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スクロヴェーニ礼拝堂にあるジョットのフレスコ画「哀悼」
さまざまな天使たちが出現している青の空間
青い服を着たマリアがキリストの頭を膝に抱き取り
語りかけるように顔を近づけている
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by silent_music
| 2010-03-17 14:23
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「.....どんなにモランはさびしいことでしょう。だれにも愛されないんだものねえ。だからあの人は、みんなをにくむんです。あのスーツケースにはいってるものは、おそらくあの人のもってる、ただ一つのたからものでしょう。それをもあなたがたは、あの人からとりあげてしまうというんですか。
あのさびしい、夜の中になげだされているおばあさんから。」
スニフは、こういいながら、いよいよのぼせてきて、声をふるわせました。
トーベ=ヤンソン 「楽しいムーミン一家」 山室静/訳
モランは女のまもの(ばけもの)です。
モランが通った跡は真っ白にこおりつき、その声もこおりのよう。
でもモランは恐ろしいまものでしょうか。
いいえ、あまりにも孤独だったから心がこおりついてしまっただけ。
本当は可哀想なおばあさんなのです。
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by silent_music
| 2010-03-15 22:54
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やさしい風のそよぎがわたしの胸にまつわる時
わたしの全存在は声をひそめて耳を傾ける
遠い青い心を奪われて
わたしは 空のエーテルを仰ぎ
あるいは聖なる海に目をそそぐ
するとさながら わたしに近しい霊が双の腕を開いて
わたしを迎えてくれるように
孤独の悲しみが神性に充ちた生の中へ
融け合ってしまうように思われるのだ
Johann Christian Friedrich Hölderlin ヘルダーリン
彼方の空の青は、聖なる海とともに、神性に充ちた生の中へと融溶していく。
青を見つめ、青を通して、青の中に入っていく。
そして、すべてのものはひとつになる........
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by silent_music
| 2010-03-12 15:54
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