朗読会 モンポウの音楽に寄せて



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昨夜の朗読会ではリルケの詩に寄せてモンポウの音楽を4曲弾きました。

朗読なさる石倉和香子さんとは特に打ち合わせることもなく、当日のリハーサルで初合わせ。

不思議なことに詩と音楽とが自然に呼応していて感慨深く。


弾いた曲を少しだけ順番に説明させていただきます。


ひそやかな音楽 (ムジカカラーダ)


晩年のモンポウの音楽は宗教的になっていく。

内に向かう音楽へと。

楽譜には「天使的に」と書かれ、グレゴリオ聖歌を想起させる。

朗読の始まりはこの曲でと啓示を受けて。


曲名の「ひそやかな音楽」は16世紀スペインの宗教詩人 十字架の聖ヨハネの詩より。



静かな夜

黎明の夜

ひそやかな音楽

響きわたる孤独

憩わせ 愛情をはぐくむ夕食





生まれ故郷バルセロナとの再会の産物。

散歩で出会った湖

水との戯れ

さざなみ

二つの音の共鳴、空間の中の響きの秘密。





ショパンの主題による変奏曲から「想い出」


モンポウのショパンへの思慕

ショパンがそう呼ばれたようにモンポウも「ピアノの詩人」と呼ばれた。

心からの、そして心のための音楽が欲しいと作曲された。

魂の呼び寄せ

ショパンとモンポウの内的な同一化。




悲しい鳥


モンポウ若い頃の作品。

「人生におけるすべては一つの別離であり、また別離と出逢いであると。

一瞬一瞬が小さな死であり、小さな再生。

そして永遠の世界では、すべては、全く、次元を超越している。」(モンポウ)


リハーサルで、この曲を弾いていた時庭で鳥が歌い始めた。

今日は一度も鳥の声を聞いていなかったので驚く。

本番では聞こえなかったのでやはり偶然だったと思っていたら、何人かのお客様から鳥が鳴いていましたねと。

鳥たちとの呼応 … 🕊

詩の宵の神秘も感受。



Photo by folina




by silent_music | 2022-05-29 22:33 | days