朗読会 モンポウの音楽に寄せて
2022年 05月 29日昨夜の朗読会ではリルケの詩に寄せてモンポウの音楽を4曲弾きました。
朗読なさる石倉和香子さんとは特に打ち合わせることもなく、当日のリハーサルで初合わせ。
不思議なことに詩と音楽とが自然に呼応していて感慨深く。
弾いた曲を少しだけ順番に説明させていただきます。
♪ ひそやかな音楽 (ムジカカラーダ)
晩年のモンポウの音楽は宗教的になっていく。
内に向かう音楽へと。
楽譜には「天使的に」と書かれ、グレゴリオ聖歌を想起させる。
朗読の始まりはこの曲でと啓示を受けて。
曲名の「ひそやかな音楽」は16世紀スペインの宗教詩人 十字架の聖ヨハネの詩より。
静かな夜
黎明の夜
ひそやかな音楽
響きわたる孤独
憩わせ 愛情をはぐくむ夕食
♪ 湖
生まれ故郷バルセロナとの再会の産物。
散歩で出会った湖
水との戯れ
さざなみ
二つの音の共鳴、空間の中の響きの秘密。
♪ショパンの主題による変奏曲から「想い出」
モンポウのショパンへの思慕
ショパンがそう呼ばれたようにモンポウも「ピアノの詩人」と呼ばれた。
心からの、そして心のための音楽が欲しいと作曲された。
魂の呼び寄せ
ショパンとモンポウの内的な同一化。
♪ 悲しい鳥
モンポウ若い頃の作品。
「人生におけるすべては一つの別離であり、また別離と出逢いであると。
一瞬一瞬が小さな死であり、小さな再生。
そして永遠の世界では、すべては、全く、次元を超越している。」(モンポウ)
リハーサルで、この曲を弾いていた時庭で鳥が歌い始めた。
今日は一度も鳥の声を聞いていなかったので驚く。
本番では聞こえなかったのでやはり偶然だったと思っていたら、何人かのお客様から鳥が鳴いていましたねと。
鳥たちとの呼応 … 🕊
詩の宵の神秘も感受。
Photo by folina