MEMO FLORA
2010年 04月 23日ブラキカムの白とオレンジの白目と虹彩
中央の瞳はパンジー
まつげはウラシロヤナギ
そして目頭と目じりに水がめを用意し
睡蓮の仲間:ヒツジ草を浮かべた
何故ヒツジグサなのかというと、
羊の刻(午後2時ごろ)に白い花が咲くのでヒツジ草と呼ばれる
(実際には季節や気温、日照状態に左右される。)
その時 涙がこぼれるように見える........
宮沢賢治 ノート「メモ・フローラ」より
「メモ・フローラ」には「涙ぐむ眼」をはじめいくつかの花壇スケッチや植物のことが記されています。
「涙ぐむ眼」という花壇は、花巻共立病院のために設計したもの。
賢治は「花壇工作」という短編にそのことを描いています。
「......南の診察室や手術室のある棟には十三才の聖女テレジアといった風の見習ひの看護婦たちが行ったり来たりしてゐたし、それにおれはおれの創造力に充分な自信があった。けだし音楽を図形に直すことは自由であるし、おれはそこへ花で Beethoven の Fantasy を描くこともできる。さう考へた。」
宮沢賢治 短編「花壇工作」より
賢治は童話や詩だけではなく、花壇の設計にも「音楽」を描こうとしていました。
病院の庭に、「涙ぐむ眼」.......
いかにも賢治らしい発想です。