「誰が、私が叫んだとしてもその声を、天使たちの諸天から聞くだろうか。」
リルケ 『ドゥイノ・エレギー』
古井由吉 訳
平出隆 改行
港千尋 写真
視力が不安定なので読書から少し離れているが、なぜか詩は読める。
むしろ深く心に。
ぼくは聴く ぼくの歩みにつれて
死んだ海がすすみゆくのを その波は頭上を越え
こどもとは 荒々しい遊歩防波堤
おとなとは 模倣された幻影
純粋な眼が 森のなかで
泣きながら 住まうべき顔を探している
ルネ・シャール「美しい建物と予感」野村喜和男訳
鐘の音のひとつひとつが
広い空に振動する
ぼくは過去をより遠くに感じ
郷愁をより近くに感じる
フェルナンド・ペソア 澤田 直 訳 そして旅に出たくなる
そして旅に出たくなる…