ボヘミアの民謡は
僕をひどく感動させ
心の中へ忍び込んで
心を重く悲しくする。
一人の子供が、馬鈴薯の雑草を抜きながら
穏やかに歌っているのを聴くと
その歌が 後で
夜の夢の中でも聞こえるのだ。
国を出て
遠いところを旅していても
永い年月がすぎた後に
またしてもふと思い出す。
リルケ「民謡」片山敏彦訳
リルケ詩集の序に書かれた片山氏の言葉が好きです。
「ボヘミアの都の夜明けの空へためらいがちに立ちのぼる夢の歌 ... 孤独なひとりごとのような詩は、一本の樹のように、独自な魂の力の空へと成長する。
リルケは自分の魂に聴き入りながら、その魂に映っている存在と生とに深く聴き入る。
彼は生活の根を存在の深く暗いみなもとに養いながら、魂の樹液を空に向かって掲げる。
そして枝が空の光に触れるところに「詩」の花を咲かせる。」
リルケは虔ましく純粋な詩人であり、苦悩さえも慈しみに変容させる静けさの人であった。
ささやかなものの中に美しさを見、晩年は悲しみや死さえも新しい輝きに照らされているようだったと。
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音楽が聴こえる
リルケの詩は天使と歌だ ....
Photo by maki
「星と星のあいだの なんという遥けさ、しかもなんとさらに遥かなことか、
ひとがこの地上の生で知ってゆくことは ...」
リルケ「オルフォイスへのソネット」(田口義弘訳)より
星と星、星々と私たち
その遥けさよりも、人と人とは遥かにある
根源的な人の孤独
定められたひとつの真実
「記念の石は建てるな。ただ年毎に
薔薇を彼のために咲かせるがよい。
なぜならそれがオルフォイスなのだから。あれこれ存在のなかの
彼の変容よ。私たちは心を労してほかの名を」
リルケ「オルフォイスへのソネット」(田口義弘訳)より
この詩に寄せられた伊豫田晃一氏の作品。
美しい .....
オルフォイスの滞在の場になるのは石の墓ではなく無常である薔薇の花。
それが咲く時、彼の歌を耳に感じる .....
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リルケに寄す
~ 絵画と詩の美しき奏で ~
at silent music
5 / 22 (土) ~ 30(日)closed 5/25(火)
13:00~19:00
絵画
浅野信二
伊豫田晃一
豊永侑希
日香里
詩
石倉和香子
音楽
久保田恵子
★詳細はこちらよりどうぞ
すべては過ぎていくように
奏でられた瞬間から過ぎゆく旋律
音楽は心の渇きを癒し
わたしたちの命よりはるかに生きる ...
リルケ「果樹園」より
la mélodie passagère ...
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詩を訳すという永遠
今日も言葉と遊び
詩に寄せて作った音楽を奏でています🎶