遠くにいる人


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先週末、父の御見舞いに行って来ました。
「よく来たね」と迎えてくれる父の笑顔を楽しみにしていたのですが ......
私たちを見つめる瞳は虚ろでした。

一日の大半を沈黙と眠りで過ごす父は、すでに彼方を漂っているよう。
窓から見える美しい景色さえ心には映っていないようでした。
私より体重が軽くなってしまった折れそうなほど細い父の手足を
天使さんの小さな手がさすります。

問いかけに答えることもなく、どこか遠くにいるような父。
その父が突然、何かを断ち切るかのように「もう、やめましょう」と声を発しました。
その言葉が深く心に残ります。
父の孤高 尊厳 .........

一瞬だけ ...... 目覚めた父がいつもの優しい眼差しを向けてくれました。
「お父さん、わたしだよ」と囁くと、「はい」と小さな声が。
再び眠りの中へ入っていった父の耳元に、いつも聴いていたという私の音楽を聴かせました ♩
安らかな寝息 ..........

「また来るね」。
父は夢の中で、その声を聞いてくれたかしら。

沢山の花が咲き乱れる美しい庭 ......
実家では、天使さんが生まれた時に植えた記念樹のジューンベリーが白い花を咲かせていました。


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by silent_music | 2015-04-27 20:23 | days