ニンニ


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ニンニは、いじわるなおばさんから皮肉を言われ続けているうちに姿が見えなくなってしまった女の子。首に付けられた銀の鈴だけが、ニンニの動きに合わせて小さな音をたてます。
遊んだことも、怒ったこともない内気なニンニに、ミィは「あんたね、闘うすべを学ばないかぎり、自分の顔を持つことはできないのよ」と強く言い放ちます。
でもムーミンママは何も言わずニンニにばら色のワンピースとリボンを縫ってあげます。
ある日、家族みんなで海辺にピクニックに行った時、パパはふざけてママを海に突き落とすふりをします。それを見たニンニはカブリとパパにかぶりつき、パパは海の中に転がり落ちてしまいます。そう、ママを守るための「怒り」によって、ニンニは自分の姿を取り戻すことができたのです。
優しさと強さ....内気なニンニを変えたのは誰かを守る「愛」でした。

トーヴェ・ヤンソンはこのように言っています。
「わたくしの書く物語が他のだれかを対象にしているとすれば、それは”スクルット”たちです。”スクルット”とは、なんらかの環境になじめずに苦しんでいるような人たち、社会のすみっこで見捨てられている人たちのことです」。

ムーミンの物語がこんなにも多くの人に愛されているのは、トーヴェ・ヤンソンの「慈愛に満ちたまなざし」が作品に溢れているからでしょう。

by silent_music | 2010-02-09 23:56 | days